だから私は魔法の絨毯に乗りたいだけ

きまぐれメモリアル/日常エッセイ/それでも私は元気です

映画忘備録

ローマの休日

 

前見たのは、小学生の時、年の離れた姉とだったような…。

当時は姉がなんでこんな白黒でザラザラの外人しか出てこない映画を嬉しがって見るのか意味が不明だったけど、今見たらすごくときめいた…!

なによりとっても異国情緒溢れる街並みが綺麗。白黒なのに、空も花も街並みもとってもカラフルに見えた。

今でこそ飛行機でひとっ飛びで外国の街並みなんてパルケエスパーニャに行くだけで見れるけれど、昔の人は一生行けないかもしれない、あんなにすらっとして綺麗な外国の人に一生会えないかもしれない、そんな伝説のような、桃源郷を見るような気持ちで見てたのかもしれない。

 

わたしの人生でのそんな映画がタイタニックだったことを思い出した。タイタニックの非現実的でロマンチックで、綺麗と言う言葉だけでは表現できずもはや苛立ってくるような船内は、十数年経った今でもわたしの世界観を縛っている。きっとこれを見た人も皆、これからの世界をローマの休日っぽいかどうかで測る尺度を持ってしまっているに違いない。

 

内容としては品行方正にほとほと疲れ果てた王女様がこっそり家を抜け出して外の世界をみて恋に落ちるという話。

大人同士の話で、いわゆるなんかいい感じの男女なのにベッドシーンとかはないのがむしろ新鮮な感じがする。ないからこそ、別れが切なくて、でも二人の絆が永遠に続いて行く気がするのかも。

ローマでの思い出を生涯忘れない、と語った王女様。あんなに自由で奔放な1日は、人生最初で最後になるだろうという、綺麗で素敵な言葉だがどうしても悲しさを拭えない自分。

王女様がこんなに恋い焦がれた自由な1日を、こんな家でYouTubeを見ながら寝てるだけでいいのか?という問いと真摯に向き合った1日だった。

そういえば世間から隔離されて育ったカジモドも、塔から見おろせるあの世界で1日過ごせればもう何もいらないとおっしゃっていたが、そんなに色んな人の羨望の的である自由を、こんな自堕落な時間に使ってもいいのか?人生を問い続けた1日になった気がする。

 

最後、王女様の最後のローマでのインタビュー。見つめ合う二人に、最後はさっと踵を返して振り返らず行ってしまう王女様と、最後まで未練がましくホールに残り、ゆっくりと出口へ向かう男性。

王女様が追いかけてきてくれたら…。そんな思いを無慈悲に打ち消すthe end。

ハッピーエンドじゃないと辛くて眠れないから、どうか美しい二人に幸せを。神様お願いします。

 

 

どうでもいいけど、キスシーンのとき、男のひとの首筋のシワがすごい気になってしまった…。男のほうが体勢的に無理しがちだし、オードリーヘップバーンは美人すぎて誰も無理してシワ使って欲しくないし、仕方ないのだけれど、なんかどんな人にもキスシーンではシワができるんだなと思うと悲しくなった…